群馬・桐生の柚子の産地をご存じですか?

日本を代表する柑橘の柚子は、林業が盛んに行われる山がちな地域の産品として育てられてきました。「桃栗三年柿八年柚子の大馬鹿十八年」と言われるように、柚子の実がとれるようになるまでには長い年月がかかり、林業を生業としていた地域の人たちの忍耐強さゆえの産品なのです。

梅田の石鴨柚子から「地域資源の循環」を考える

桐生川源流の梅田町五丁目。ここは林業を生業としてきたきた地域。その家の周りには柚子の木が沢山植わっていて、今ではたくさんの実をつけています。
この爽やかで香気豊かな柚子は、その実の美しさと反して太く長い棘があり、収穫するにも覚悟と勇気とそれなりの装備が必要となります。そのため、桐生川源流梅田町の高齢世帯では管理が難しくなり、自宅で必要な分の柚子を少量収穫するのみで、放置されている柚子の木が沢山あります。

この地域の気候風土をまとった柚子を、柚子ジャム、を地域資源として循環させていくため、それを活用して価値を生み出す人が必要です。2021年には桐生の梅田町の老舗和菓子屋香雲堂が、石鴨柚子を使った柚子羊羹が商品として販売されました。2022年はそれに続き、桐生市内の企業6社(しみずや、わびさびや、ブリュー、上の湯、田中商店、清風園)により、石鴨柚子を使った商品開発がされ、梅田石鴨の柚子という資源から経済価値が生みだされています。
これらの店舗で梅田石鴨の柚子を使った商品を購入していただくことで、地域の資源を活かし、地域の文化、歴史を守ることにつながります。
桐生川源流の柚子は、今後柚子の管理、収穫までを支えていく人材や環境、仕組みが作られていくことを目指し、梅田の柚子を地域の魅力として活用していただく企業とのコミュニケーションを大切にしていきたいと考えています。